ゲルニカを読み解く(リベンジ?)
2012年 02月 02日
この『ゲルニカ』を通して何を生徒たちに感じさせるということ。
生徒の教科書、美術資料集には『ゲルニカ』はされています。しかし、生徒たちは、この『ゲルニカ』について、ほとんどといっていいほど知りません。はっきり言えば「知らない」生徒がほとんどでした。「教科書めくって
いると載っているのだけど、何の絵なのかわからない」「よくわからない絵」と伝えてきました。
私は、教科書会社からもらった、拡大図版を黒板に貼り付けました。拡大提示装置を使用しても良かったのですが、自分が思い描いたとおりの比率に提示されないことや、教科書にも作品は大きく取り上げられているので、教科書会社から頂いた商品でも十分だと思いました。
「見たことある人!何か知っている人!」
「・・・・・・・・(シラーん)(わからーん)状態」
「しらんから、みんなで見ましょう。どんな絵なのか感じましょう。感じ取りましょう」で見る。
5分ほど生徒たちに鑑賞させた。結構ハチャメチャな学級もありましたが、なんだかんだで「これなんか変」「どう描かれているの?」「色くらい」などぼそぼそと話をしはじめました。
白紙に簡単に、牛、馬、人、女の人、ランプ、その他とざっとマジックで書き込んだ紙を4人で一つの配布する。ワークシートでもなんでもない。あっさりマジックで欠いた紙である。司会役は、グループの意見を代表して書き込んでいく。
「気付いたこと何でもいいから書いてください」
5分間でちょうど良いと思った。これ以上の時間を生徒たち同士の時間にしてしまうと、おしゃべりで終わってしまう。結構あれこれ書いている。
黒板に区切りをつけて、生徒たちの意見を書き込む。
牛
・目が3つある
・尻尾が変な位置にある。
・牛の顔が人間に見える。
馬
・舌がとんがっている。
・鼻は大きい。
・口がない
・左右非対称?
・叫び声が聞こえる
・牙がある。
・顔は狼のようだ。
・つらそうだ。
ランプ
・抽象的?
・とげとげとしている。
・目のようだ。
女の人?母親?
・顔はゆがんでいる。
・泣いているのだろうか。
・太陽にも見える。
・首が長く、悲しんでいる。
・子供を抱えているような人がいる。
人間
・顔のパーツがバラバラである。
・一人乳房がある
・指は太くて短い。
・何処と泣く怖い。
・手が切れているのがある。
・目がみんな死んでいる。
その他
・モノクロ(無彩色)で描かれている。
・鳥みたいのがいる。
・ろうそく見たいのを持っている人がいる。
生徒たちの発表を黒板に書く。ランダムに指名する。感じたこと、わかったこと、気付いたことを記入する。繰り返したり、「こんなこといいたいのかな?」言いたいことを確認したりした。あえてグループごととも、指名する順番も決めずランダムにししていたので、牛について発表する生徒もいたり、女の人発表する生徒がいたり・・・。発表しているところが少ないところを、確認して発表していたようだ。
ある程度意見が出たところで解説をした。この絵は解説は必要であろう。解説しなかったら、まず理解しがたいと思う。教科書や美術資料集のゲルニカに関する資料は、丁寧なのだが生徒たちにとっては難し区かかれているように思う。要約して説明をした。中には「あぁ・・・そうなんだ」といっていた生徒もいた。この授業時の課題は、生徒の意見からさらに考えを深めさせることが弱かった。
で 私の解説でも難しいことは難しい。
なぜならば、空論というか美術史としての背景が、1時間そこらの授業でイメージできるだろうか。「ドイツ軍が攻めてきた。」なんていきなり言われたって、生徒にとっては「はぁ?」であろう。
でも、「牛の顔が人間に見える」という感じ方であったり、「皆白目をむいている」「逃げ回っていそう」といった考えを引き出すことは少しできた。また、作品がどれだけ大きいのか、紙テープで確認させたことは、絵がかなり大きいことを、納得させることはできたと思う。