「教育問題」「美術教科指導」等駄文であれこれ感じたことを綴ってます。


by hakusuke
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ゲルニカを読み解く(リベンジ?)

 ゲルニカの鑑賞で気をつけたいこと。

 この『ゲルニカ』を通して何を生徒たちに感じさせるということ。

 生徒の教科書、美術資料集には『ゲルニカ』はされています。しかし、生徒たちは、この『ゲルニカ』について、ほとんどといっていいほど知りません。はっきり言えば「知らない」生徒がほとんどでした。「教科書めくって
いると載っているのだけど、何の絵なのかわからない」「よくわからない絵」と伝えてきました。

 私は、教科書会社からもらった、拡大図版を黒板に貼り付けました。拡大提示装置を使用しても良かったのですが、自分が思い描いたとおりの比率に提示されないことや、教科書にも作品は大きく取り上げられているので、教科書会社から頂いた商品でも十分だと思いました。

 「見たことある人!何か知っている人!」
 
 「・・・・・・・・(シラーん)(わからーん)状態」

 「しらんから、みんなで見ましょう。どんな絵なのか感じましょう。感じ取りましょう」で見る。

 5分ほど生徒たちに鑑賞させた。結構ハチャメチャな学級もありましたが、なんだかんだで「これなんか変」「どう描かれているの?」「色くらい」などぼそぼそと話をしはじめました。

 白紙に簡単に、牛、馬、人、女の人、ランプ、その他とざっとマジックで書き込んだ紙を4人で一つの配布する。ワークシートでもなんでもない。あっさりマジックで欠いた紙である。司会役は、グループの意見を代表して書き込んでいく。

 「気付いたこと何でもいいから書いてください」
 5分間でちょうど良いと思った。これ以上の時間を生徒たち同士の時間にしてしまうと、おしゃべりで終わってしまう。結構あれこれ書いている。


 黒板に区切りをつけて、生徒たちの意見を書き込む。

・目が3つある
・尻尾が変な位置にある。
・牛の顔が人間に見える。


・舌がとんがっている。
・鼻は大きい。
・口がない
・左右非対称?
・叫び声が聞こえる
・牙がある。
・顔は狼のようだ。
・つらそうだ。

ランプ
・抽象的?
・とげとげとしている。
・目のようだ。

女の人?母親?
・顔はゆがんでいる。
・泣いているのだろうか。
・太陽にも見える。
・首が長く、悲しんでいる。
・子供を抱えているような人がいる。

人間
・顔のパーツがバラバラである。
・一人乳房がある
・指は太くて短い。
・何処と泣く怖い。
・手が切れているのがある。
・目がみんな死んでいる。

その他
・モノクロ(無彩色)で描かれている。
・鳥みたいのがいる。
・ろうそく見たいのを持っている人がいる。


 生徒たちの発表を黒板に書く。ランダムに指名する。感じたこと、わかったこと、気付いたことを記入する。繰り返したり、「こんなこといいたいのかな?」言いたいことを確認したりした。あえてグループごととも、指名する順番も決めずランダムにししていたので、牛について発表する生徒もいたり、女の人発表する生徒がいたり・・・。発表しているところが少ないところを、確認して発表していたようだ。

 ある程度意見が出たところで解説をした。この絵は解説は必要であろう。解説しなかったら、まず理解しがたいと思う。教科書や美術資料集のゲルニカに関する資料は、丁寧なのだが生徒たちにとっては難し区かかれているように思う。要約して説明をした。中には「あぁ・・・そうなんだ」といっていた生徒もいた。この授業時の課題は、生徒の意見からさらに考えを深めさせることが弱かった。
 
で 私の解説でも難しいことは難しい。
 なぜならば、空論というか美術史としての背景が、1時間そこらの授業でイメージできるだろうか。「ドイツ軍が攻めてきた。」なんていきなり言われたって、生徒にとっては「はぁ?」であろう。

 でも、「牛の顔が人間に見える」という感じ方であったり、「皆白目をむいている」「逃げ回っていそう」といった考えを引き出すことは少しできた。また、作品がどれだけ大きいのか、紙テープで確認させたことは、絵がかなり大きいことを、納得させることはできたと思う。


 
by hakusuke | 2012-02-02 21:32 | 2012自分の授業