お互いに連携ができたらよいのになぁ
2006年 11月 24日
内容を要約すると,自分の子供が,学級担任から絵を描いてくるようにと宿題が出された。しかし,父上にとっては,表現したい意図や構図がつかめなかった。そこで,娘と共に,絵を描く際に,対話しながら描かせ,娘さんは満足。最後に,娘の制作の様子を見ていると,表現の基礎・基本がなっていないことに父上は気がついたのでした。といった内容。
今まで勤務してきた地域の生徒の言葉だけを記すならば,「彫刻刀は,1本だけしか使用していない」「彫刻刀を使った作品は,手を怪我するから嫌いだ・苦手だ」「画用紙に裏・表があることを初めて知った」「筆は種類があることを知った」などなど,中学校1年生に春,小学校で経験してきた内容を伝えさせると,美術を指導する者として,大変驚くべき返答が返ってきたりもする。
このことからも,この内容については,イメージできてしまう。
小学校の先生方が,丸一日,同じメンバーで各教科を指導していることを想像すると,私としては頭も下がってしまう。輪をかけて,小学校教師を目指し,通信課程で小学校免許を所得し,小学校教諭として教壇に立たれている方も多い。私も少し前まで,教採試験問題集に毎月掲載されていた小学校全科の問題にも目を通していたので,あの内容から,表現の専門的な内容をマスターすることは難しいだろうと思う。
私自身が「美術」を指導しているからこそ,「この生徒達が既習してきた表現の内容は?」と目がいってしまうのだ。恐らく,私が理科や数学の指導者であったならば,小学校・中学校での指導内容に目がいってしまうだろう。
私は,小学校にももっと専科制度を導入すればいいのにと,感じてしまう。音楽,家庭,図工,体育など,もっと専門的な内容を周知している方に指導を受ければ,児童だって学ぶことの楽しさに気がつくかもしれない。学級担任として,児童を指導する場面,教科を指導する場面,発達段階に応じた,人とのかかわりが大切なのではないだろうかと感じてしまう。
同時に,小・中連携指導であったり,小・中・高連携指導ができたら,もっと学ぶことに興味をもつ,児童・生徒は増えるだろうになぁ・・・。
美術であれば,絵の具の混色してできる色であったり,彫刻刀の扱い方までは身につけさせておきたい内容である。そのためにも,地方教育委員会に属する教員たちは,小学校での指導にも目を向けるべきだろうし,逆に小学校教諭たちが気軽に専門教科の方々から学ぶ門戸を広げればよいのになぁと感じている。