ものづくり 漆から
2007年 01月 03日
昨日,せっかく鬼首に出向いたのだから,帰り「漆」でも出向きたい気分だったのだ。しかし!妹ちゃんはこの手にまったく興味・関心を示す方ではありません。そのまま鬼首から鳴子へとスルーしてしまった。つまらん方だ。。。
姉妹だというのに,性格も,趣味趣向も違う,生活環境も行動パターン,感覚などその他諸々全てにおいて正反対なのです。スマンねー父上・母上。こんな子どもたちで。
2006年12月号芸術新潮は,特集“そろそろうるし”だった。正月前とあって,芸術新潮としては久々に読み応えのある内容だと感じた。最近芸術新潮飽きてしまい,定期購読しておりません。
エッセイリストの高森寛子さんが記した内容で,以前読んだ「心地のいい日本の道具」に記されている内容と重複した漆作品の紹介も多い。しかし,漆の魅力をほどよく紹介していると感じた。
この芸術新潮にも,心地の良い日本の道具にも紹介されている漆のベビースプーン。以前双子ちゃんを出産した知人に,お祝いと称し送ったところ,結構漆のつやがでてきたことや,重宝していることが年賀状に記されていた。つやがきになる・・・。
「このベビースプーンもしかして人気なのか?」と思い,ネット検索かけたところ,「捨てる技術」著者の辰巳凪さんこんなもの買ちゃったブログにも紹介されていた。
“漆”と聞くと,つい高い商品と捉えている方も多いと思う。しかし,ここ数年漆の商品は年々下がり傾向にあると思う。そして,漆職人の方々もデザインに趣向を凝らした商品も随分普及してきており,家庭でも使いやすい商品も多くなってきた。漆に限らず,ものづくりをする側の立場で記すならば,やはり多くの人が使うことによって新しいデザインを考えることにも繋がると考えている。昔の地域の伝統を維持していくことも大事だろうし,伝統を保持しつつ新しいデザインを考えることが大事なのだと思う。
この新潮に掲載されていた,赤木明登さんの漆商品など,非常に軽くて心地よい。角偉三郎さんの作品は,モダン・品がある漆といった感じだろうか。
正月の雑煮入れとして使用した,塗り物も使い勝手がよかった。母上が以前購入していたらしく,「あんただとがさつに扱いそうだから・・・」で,既に棚にしまわれてしまった。焦って撮影したら,全くもって漆のよさが伝わらない写真撮影となる。右側のお椀なのだが・・・。
ただし,東京国立近代美術館で行われているような,松田権六といった巨匠の作家作品は別です。
たしかに,漆のベビースプーン。記念品としては一瞬躊躇した商品でもあった。まぁこのところの出産祝いの相場としては妥当な価格だと思うのだが,どうだろう?
出産祝いに限らず,いつまでも使えるものであったり,安心して使える商品は案外お買い得だと思う。そのへんの考えが,この芸術新潮にも記されているし,また妹ちゃんと私の違う価値観であったりもするんだなぁ。
◆蛇足◆
よくチェックするこの「日本の手仕事」サイト,ものづくりのよさが伝わるHPです。
上記サイトに漆に関する書籍について紹介されていました。