「教育問題」「美術教科指導」等駄文であれこれ感じたことを綴ってます。


by hakusuke
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浮世絵の鑑賞

 浮世絵の鑑賞を行いました。以前、ブリジストン美術館で鑑賞した、ドビュッシーの展覧会が印象に残っていて、何か授業で気付かせられないかなぁ・・・取り上げられないかなぁ・・・と、授業構想を練っている間に授業日になってしまいました。なんてこったい。課題は多々見つかったので、授業として進めた通りに記し次年度の改善策とします。
  
 授業開始前にドビュッシーの曲をかけてチャイムと共に号令。休み時間早々に美術室にいた生徒たちは聞いてもいた。いまいちだったかなぁ。生徒の中には、「何の曲だろう?」と感じた生徒もいたけれど、ドビュッシーの海長い。何処で区切れば良いものだろう?

 さて、今回は教科書に沿って、鑑賞を進めていきました。ジェームズ・ティソの『日本の工芸品を眺める娘たち』に触れながら、どんなことをしている?何を見ている?で質問。あまり適切な質問とは言えないです。じれったいけれど、ジィいいっと生徒たちが、教科書を見ている間黙っていました。うずうずしていました。

 歌川広重の『亀戸梅屋舗』とゴッホの『日本趣味」を比較鑑賞を行いました。また、北斎の『魚籃観世音』図とエミル枯れの『鯉文花器』の比較鑑賞も行いました。美術資料集を使用した補足資料があったことで、生徒たちは日本の作品が海外に影響を与えたことに納得していました。ただし、浮世絵の説明が浅かったこともあり、『亀戸梅屋舗』はさらっとしている、平面っぽいなぁ・・・、ゴッホの作品は、ベタっとしているような感じがすると発表した生徒もいました。版画といったことをもっと伝えたうえで学習を展開する必要がありました。少しフォローして、納得。

 『富嶽三十六景』の『神奈川浪沖裏』見たことある―にはじまり、一つ前の題材が漫画だったことから、「波デフォルメしている?」「山が奥にあって奥行きが感じる」「この奥行きって遠近法だっけ?」とあれこれ。和紙の手触りも楽しんでいたと思います。

 葛飾北斎については、私が説明するより映像で見せた方が分かりやすいと思い、歴史ヒストリアの動画を取り上げた。葛飾北斎の超人説や引越し魔、ペンネームがたくさんあり、ペンネームごとに作風が変わる等、社会情勢の解説もあり、結構興味深く感じ取っていました。また、社会の授業でざっくりと江戸の文科について触れていたこともあり、「あぁ」と納得している生徒もいた。ゲストの会話は飛ばして、大体23分程度。我が校の生徒たちは20分ぐらいの映像がちょうどよい。40分も視聴していると飽きてしまうので、授業の半分ぐらいを映像で紹介できてよかったと思いました。小布施の紹介や、北斎通りについても触れていて、出向いてみたいと自己評価カードに記している生徒もいました。

 富嶽三十六景も、46枚の絵を見せても飽きそうだったので、動画で3分程度にまとめられた富嶽三十六景の動画を視聴しました。構図の面白さに興味を示した生徒もちらりほらり。国立博物館で購入していた、富嶽三十六景ポストカードを活用しながら、鑑賞をしようかと思いましたが、動画でよかったです。

 あくまで、授業記録です。課題は多々あります。授業実践されている方は、忌憚ないご意見を頂きたいです。

 
by hakusuke | 2017-01-24 00:37 | 2016自分の授業 | Comments(0)

この世界の片隅に

 昨年末からじわじわと話題の映画『この世界の片隅に』を観て来ました。ネタバレ多々・・・(汗)

 本作を『戦争映画』というまとめて良いのか分からない。しかし、優しい画のタッチで描かれている。実際は、戦時下の広島・呉を舞台にした、そこで生きる人々の『庶民の暮らし』を描いた温かい内容映画でもある。


 『戦争』という題材を扱うと、どこか暗い笑顔が無いイメージが強い。しかし、この作品は全体的に柔らかいトーンやタッチで描かれていて、笑いであったりやほっこりしたりするシーンが幾度となくある。もちろん戦時下の映画だけあって、後半にかけて空爆のシーンや悲しい出来事もある。

 戦時下当時の慎ましくも何気ない『生活』を淡々と描きつつ、そこで暮らす人々の『喜怒哀楽』が豊かに描かれ、どことなく人の温もりが伝わってくる。恐らく実写ではなくアニメだからこそ、安心感を与えているのだろう。

 徴兵に食料難・空襲や大切な人の死。苦しくてもずっと暗く落ち込んでる訳じゃなく、美味しいご飯づくりにいそしんだり、ドジな出来事に笑ったり、一喜一憂しながら生きている。当たり前の事なんだけど妙に新鮮な主人公すずさんがいる。過酷な環境下、無いなら無いなりに色々と工夫し・人と人とが支え合い、1日1日を積み重ね生きている。そんな姿に、あの時代を生きた人の『気丈さ』が描かれている。

 この作品の最大の魅力は、主人公の女性『すず』である。ちょっと抜けた天然であり、ほんわかした雰囲気を振りまくことができる頑張り屋だ。18歳で、好きでもない男の元に嫁ぎ主婦となり、夫の家族と同居し、すずと対照てきな性格の義姉の取っ付きにくさにもめげる事なく、マイペースかつ健気に呉での生活に馴染んでいく。

 優しくてきめ細かいタッチが良かった。戦艦が漂う海が見える高台からの光景や、水兵たちが下船する暮れの街。家と自然豊かな周りの風景。風呂や土間なんかの生活感ある描写も、もっとじっくりと細部まで見たくなる。

 ほっこりする場面がある一方で、悲惨なシーンも容赦なく描かれている。後半は戦時下突入する時代であり、市街地にも何発もの焼夷弾や降りそそぐ砲弾の破片、連日の空襲に頭を押さえているすずの周辺のひとたち。不発弾の爆発により失ってしまったものなど。これから劇場で見る人もいるだろうから、不発弾で失ってしまったものは、記しません。
 
 観ている間、私の背後ですすり泣く方もいた。私は泣けなかったけれど、事実として受け止めたい。パンフレットも買ったし、広島に行こうかなぁ。
by hakusuke | 2017-01-03 18:46 | 100本映画 | Comments(0)