「教育問題」「美術教科指導」等駄文であれこれ感じたことを綴ってます。


by hakusuke
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

高校は進学予備校なのか?

 ここ数日,高校履修科目の改ざん問題について報道されている。富山県立高岡高校にはじまり,あれよあれよと,全国の高校で実態が報告されてきている。今後,47都道府県の高校で履修教科の改ざんや,県立高校の杜撰にしていた問題等が出てくるだろうと予測する。
 数日前までは,県教委の報告では,「大丈夫」と報告されていたが,フタを開けたら宮城県も・・・。やっぱり・・・といった実態だった。 職員室内で,同僚の話に,耳を傾けていると,「○学校もだろう」「あの○○私立など,絶対情報履修させてませんよ」などとちらほら話している方もいる。私はそこまで,県の事情理解していないから,「ふーん」で終わってしまうのだが・・・。
 本日の出張先でも,お互いに顔合わせては,「○○高は,大丈夫だったんですか?」といった雰囲気。挨拶までもこの話題からだったし・・・。勤務校の知人と連絡していたら,本日朝電話に,「匿名で結構保護者から問い合わせが殺到していたよー」といっていた。あぁヤダヤダ。

 報道されている学校の共通していることは,進学校・進学コースが設置されている学校である。言葉は悪いが,進学校ではない高校は,ゆっくり時間をかけて卒業までこぎつけばいいわけで,事件になっている学校は進学に力を入れている学校ばかりだ。勤務校も,地域ではそこそこの進学校であるけれど,ねじりはちまき姿で,躍起になって,勉強している生徒はわずかとしかいえない。3年生の一部生徒の中には,焦りも見える生徒もいるけれど・・・。 
 数名の徒たちと,この事件に関して,炉辺談話する。自分が履修していた科目だけでは,「もしだよ。あなた達が卒業できないとなったならばどうする?」と私が質問に対して,男子生徒2年4名が,考えること。感じたこと。高校は進学予備校なのか?_a0074653_20581949.jpg

○「全生徒中退も考えられる。」
○「いやいや,受験ばっかりがよくない。」
○「やっぱり学校長が許可したから校長がダメ」
○ 生徒たちは「そんな必修だろうが,選択だろうが俺らは分からない。配慮してくれたのだろうけど,現実問題だったら,ありがた迷惑としかいえない」

 確かに,生徒達の意見も一理ずつ理解できる。私は,彼らの考えに否定意見も伝えていない。「高校必修科目ってなんだ?」ぐらいは話した。文科相役人でもないので,私も「うーん」としかいえない。
 いや,2年生との話題だから,こんな余裕話できるのですが,受験生にとっては,ヒヤリとさせるこの事件。廊下ですれ違う際に,「芸術今年履修しなかったけど,卒業できますか?」なんても聞かれます。安心してくださいな。大丈夫よ。
 
 ただ,朝の新聞で気になったことは,新聞の広告として載っていた,子育て雑誌の太字だった。「進学校ランキング発表!!」「頭のよい子どもの育て方は・・・」「受験に有利な高校」といった週刊誌の大きな見出しと内容に目がいった。
 「進学!進学!」といった雰囲気をつくる?周囲が,学校をあおるような文章や表現することも,高校側を締め付けている気もした。別に,県立高校に勤めているからといった同情や情けではない。「何故,進学しなくてはいけないのか?」本質的な部分が,子どもは理解しているのだろうか?親は,(有名)大学に入学させたいことから,子どもたちの自由を奪っているような,変な支援をしすぎているような気すら感じた。それを喚起するような,週刊誌(4月中旬に毎年発売される,合格実績ランキング某雑誌)もあることも問題でもあるような?などと考えつつ,出張先へ・・・。

 本日の地方新聞のコラムだったはず・・・「必修教科でありながら授業を省かれてしまた担当教師に言いたい。教師としての誇り,教科としての誇りは何処へ?」と記されていた。我が校の,芸術科目削減日まであと少し・・・。


やるべき課題はまだまだある!
by hakusuke | 2006-10-27 21:00 | 時事問題 教育問題