「教育問題」「美術教科指導」等駄文であれこれ感じたことを綴ってます。


by hakusuke
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The Wonder Box-ユニヴァーシティ・ミュージアム合同展

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久々に,芸大美術館に足を運んできた。鑑賞してきた展覧会は,“The Wonder Box-ユニヴァーシティ・ミュージアム合同展”である。

 展覧会の概略を記すと,国立大学協議会に加盟している37機関の内25機関が参加して,各大学所蔵博物館の1点を展示する内容である。

 入って早々,「おっ!」北海道大学総合博物館の,“ニッポノザウルス・サハリネンシスが”お出迎えする。復元模型ではあるけれど,非常に精巧な資料だ。父上曰く,北大には随分と恐竜の資料があるらしいが,私は今だ出向いたことがない。ポプラ並木とクラーク博士しか,イメージが浮かばない。なんて貧弱な発想なのだろう。
 
 ぐるりとまわって,後ろに展示されていた“ニホンアシカの剥製標本”の顔に驚く。アシカの耳の小さいことに驚きつつ(女性の小指爪より小さい),水中生活でもあるから退化したのだろうか,聴覚を必要としない動物なのだろうか,ひれ?足の部分?が,これが人間で言えば足に進化したのだろうかなぁ・・・などと感じてしまった。ガラス目玉のせいなのか,牙が向きだしなので,顔が怖かった印象を受ける。

 琉球大学資料の,“イリオモテヤマネコ”の,丸ごと皮剥も,きれいすぎて驚く。なでたいなーと感じた。子供ミイラも実はあったのだ。

 信州大学の雷鳥と,季節と共に,羽が抜けかわる資料(スケッチ)は,非常に興味深く,その横に展示されていた,日本で一番大きな隕石も見物であった。
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 歴史資料として,興味深かったのは,新潟大学所蔵の,佐渡金山の絵巻だった。金山発掘から,金鉱脈をあて,砂金洗いをする姿。その後小判づくり,目方をしらべる様子が,細々と記されていた。歴史資料ではあるけれど,「縄文時代の足跡なんて,どうやって見つけたのだろう?」と感じた香川大学博物資料。フレスコ画を剥がすように,土ごと標本されていた。

 九州大学の人骨資料に関しては,有名ではあるけれど,あんなにあると気持ち悪いなぁ。あごががっちりしているから,縄文人ルーツ骨格・弥生人ルーツ骨格を比較して,鑑賞したところ,私はどちらかといえば,縄文人骨格なのだろうか?とも感じた。体型も?

 出口近場にあった,宮崎大学農学部付属農業博物館資料であった,“屋久杉の円盤”知人が,「これだけ,でかい(大きい)ちゃぶ台欲しいなぁ!」と漏らしていて笑えた。私が両手広げても端がまだみえた。樹齢1600年だったかな?非常に非常に,大きな木だったのだ。いや,大地,生命力の素晴らしさすら,感じました。1600年の歴史を語るちゃぶ台・・・。
  
 各大学・博物館等の学術資料の展示でもあるので,今の私には,興味・関心がない資料も,数点展示されていた。興味ある方には,有効な資料なのだろうが,私が鑑賞しても,何がすごいのかすら理解できなかったりもしてね・・・。しかし,絵画資料,動物資料,天文資料,植物資料等,これらの資料を生かして,研究に励んでいる方々もいるのだろう。今は研究成果が生かされなくても,いつかこれらの研究がもとになって生かされる時代が来ることを祈ろう。

 パンフの裏面ををアップしてみました。展示内容について,大まかにつかむことができるかもしれない。このパンフも画面構成がすっきりしていて,見栄えがよいデザインだと感じた。

東京芸術大学美術館
by hakusuke | 2006-11-27 19:30 | 鑑賞-民具=趣味