「教育問題」「美術教科指導」等駄文であれこれ感じたことを綴ってます。


by hakusuke
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上手い・下手ってなんだろう?

上手い・下手ってなんだろう?_a0074653_2205572.jpg 昨日,通りすがりさんのコメント内容から感じたことを,記事にした。再度山崎先生ブログコメント読んでいた。面識未だにありませんが,青木先生のコメントも鋭い指摘だと感じた。また,書籍整理中でもあるし,いい加減捨てようか?と思っていたハスクブルグ家の記した,ツーウェイも再度読見直し,就寝ZZZ・・・。
 「児童・生徒作品の上手!」とは,何をもって上手いといえるのだろうか?それらについて気がつかせる必要があるだろうと,日々感じている。
 今回のエントリー内容は,高校生を対象とした指導内容ではありません。あえて義務教育である美術教科を指導していた時代を振り返り,記します。私が以前勤務していた,過去4年間の中学校での指導内容を振り返りつつ記します。
 私的に,過去の題材,指導内容振り返り中なです。テスト時間中ずっと考えていたから,長い文章だなー。




 平面デザイン題材であれば,画面構成の善し悪し,配色効果を検討しながら表現する内容でもあるから,提出作品から表現の上手・下手の判断は即座に可能であろう。突然平面構成を学ばせるわけではなく,シンメトリー,アクセント,リピテーションといった美の秩序に気づかせながら,色彩に関しての基礎知識を深めてから,平面題材に取り組ませてきた。


 生徒達は,着彩場面でも「見栄えのよい作品に仕上げたい!」「きれいに仕上げたい!」といった目標をもって,取り組む生徒もいた。向上心をもって学習することは,よいことだ。
 しかし,時に何事も一生懸命な生徒の中には,「目標を高くもちすぎているなぁ」と感じた表現内容もあった。悪い傾向ではないのだが,最終的に本人が苦しくなるなーと悟った時だけ,助言をしていた。適切な指導なのか疑問だけど,物事や作業に関しては,手順を学ばせることも大事なことだ。

 私は各題材で,試作する時間を設けてきた。それらは,自分で体験することで,表現するイメージが整理ことが大切だと捉えていたからである。これは今後も変わらない指導方法だろうし,トントンぎこぎこ図工の時間で,ウチノ先生が,映画のなかで,「ちょっと考えてみて!」と,男の子にあっさり指導しているシーンがある。それは適切な指導だろう。「おぉ!格好いい」と感じたワンシーンである。これこそ,生徒自身が考える学習指導ではなかろうか?生きる力?

 「美の秩序(構成の基本)」を理解させることは,表現の基礎・基本の一つであり大切だ。バウハウスでの造形理論にも記されている内容。
 私は,「美の秩序」に関してあれこれ説明して理解させるより,生活の中に,美の秩序は存在していることに,気づけるような発問や学習場面を提示さえすれば,生徒達は理解できるだろうと感じている。日常生活の中で,目にしている看板であったり,ファッションであったり・・・
 黄金比や構成の要素を生かして情報発信や伝達しいるのが,それこそプロの作家であって,生徒達には,その基本となることに気がつく機会,学びの機会があることが大事なのだろう。美術の授業があるからこそ,デザインに興味を抱く生徒もいるだろうし,「この携帯電話デザインが格好いい!」「この鞄のデザインかわいいなぁ」と,生徒達の日常会話を耳にする。プロダクトデザイン,CGデザインであれ,それらの表現への憧れが自分の進路として意識する生徒がいてもよいだろう。
 高校生とこの美術関係の進学希望者と,この数ヶ月面接練習していて,これらのことは強く感じてしまう。あくまで義務教育の一つとして,教師は学びのきっかけを提供する職業かもしれない。
 
 絵画(人物画,風景画,静物画など)であれば,やはり構図の善し悪しが,作品にも影響する。それこそ,一発本番で描かせるのではなく,適切な観察時間を設け,着彩時間への時間配分であったり・・・。それこそ,教師の経験がものをいうかもしれない。児童・生徒に無理のない画面の大きさであったり,対象物に興味を持たせられるような題材選定を図ることは,教材観にも関わる内容だ。
 先に述べた構成に重複してしまうが,画面構成の善し悪しで,効果的な構図であったり,構図が悪いことから見栄えが悪い印象を与える作品だってある。しかし,そんな専門教育受けてもいない生徒に「構図悪い」と助言したって個々の生徒の価値観を否定することに繋がるだろう。このことからも,人物画であれば,画面のどれくらいの大きさに描いたら自分が伝えたい内容を整理して表現できるか?人物の雰囲気から伝えたい内容を伝えること,背景の処理を含め,可能な限り個々の生徒の実態に応じて,指導できることが大切であろう。
 ただ指導者側が,「目をかきなさい」「次は鼻をかきましょう」「唇には赤の色を塗りなさい」等の一方的な指導であれば,コンピュータに絵を描く思考回路を備えた描かせることと同じになってしまう。それこそ,没個性でもあり,自分の感じたことを伝えられない恐ろしい表現内容だと感じてしまう。

 教科指導書をはじめ,美術科ヒット教材集は参考にもなる書籍も販売されている。あれこれ各学校で表現活動に取り組ませてきた。絵画指導の内容だけは,指導書よりも管内で美術を指導されているベテラン美術教諭の指導内容を参考にさせて頂いていた。先輩方の助言内容を自分なりに整理して,指導に生かしてきた。それこそ,美術教師が日々の学校生活の中で,生徒の観察をとおして題材選定を図ることや,描く画面の大きさを検討すべきだろうと思う。
 生徒が読んだら憤慨するかもしれないが,上手い絵なんて私は望んじゃいない。じっくり今できる表現に向き合えさえすればいい。失敗したって,次に生かせればよいじゃないか?失敗したから,減点にした生徒は過去いない。表現活動だからこそ,間違って欲しい。何が悪い表現なのだろうか。美術ぐらい100点満点なんて解答がないからこそあれこれ想像力が広げられる教科あって,間違わなければ表現を学んだことには繋がらない。表現活動で,冒険してみることは大切だろう。
 また,私は過去の題材で,「うーん。ちょっと難しい」と感じてしまう場面,生徒が考える場面を各教材に取り入れてきた。それらのハードルを越えられたとき,「自分にもできた!」と表現の喜びに繋がってくれていたならば嬉しいなぁ。

 私自身油絵を中心として制作していた時代もあるから,美術教師の悪いクセ?が,専門用語がポロリと口にしてしまう時もあり,申し訳なく感じるときがある。昔に比べると,だいぶ平易な説明ができるようになっていると感じているが,「わけわっかんねー話をしているなー」に感じていたならば申し訳ない。現勤務校の生徒ちゃん達でもいい。別に成績下げはしない!「わっかんねー」を,私にたたきつけて欲しい。
 講師1年目の失敗からも,絵画指導だけは随分と記すことができる。機会あれば記そう。偉そうなことを記しておりますが,私も失敗ばかりしているので記せるネタである。特に講師1年目時代の,○中学校生徒ちゃん達。本当に君たちには,学ぶことが多すぎて,感謝申し上げたい!

 もっと記すべきことはあるのだが・・・・長くなってきたなぁ。

◆子供の作品を見てくださる保護者の方々に向けて◆

 作品の上手い!下手!で,子供の作品を判断してはいけません。私は,結果主義な指導はしておりません。断じて公言できる。作品展に出展されている児童・生徒作品はそれこそ,多くの審査過程を通過して出展されている作品も多いです。見た目も大変素晴らしい作品の多くが,よい評価や賞を頂いております。
 それこそ宮城県の造形教育作品展出展作品であれば,教科指導時間以外にも,出展生徒達は描きこんで提出してきているくらいです。美術の授業時間だけの制作時間の作品では,決してありません。部活動時間に制作した作品,選択教科時間に時間をかけて仕上げてきた作品,美術に興味関心のある生徒であれば,家に持ち帰って仕上げすらしてきます。あれだけの力作を授業時間内に仕上げようと思ったら,それこそ素晴らしい画力の持ち主だとひれ伏してしまいます。

 私は,学校内に掲示されているだろう,子供たちの作品をご覧になって欲しい。一つひとつ「個性」があります。試行錯誤した結果から,紙が破れたあげく後ろにセロテープで補強した作品,線が気にくわなくて何度も何度も修正した線,筆の運びだって,着彩方法も皆違う表現ばかり。今伝えたい内容を,なんとか表そうと・努力した13歳~15歳の表現でよい結果だと,私は感じております。それ以上の望むことがあるでしょうか?
 生徒達は美術教科以外にも別教科の内容も学び,生徒会活動や部活動に一生懸命に取り組む姿は,素晴らしいと思います。教師の指導体制も問題なのでしょうが,お子さん達は,ゆとり教育といわれつつも,日々バタバタして学校生活を過ごしていると感じます。学級や授業中に,「疲れたー」「ただボーとしていたい」の漏らす言葉の意味に,うなずいてしまう場面が度々あります。

 作品の見栄えも大事でしょうが,お子さんがその時に「できた!」と感じとれた価値観を褒めて欲しいです。逆にお子さんが,「失敗したなぁ・・・見せたくないなぁ・・・」と,しょげていた,しぶっていたら,どうして失敗だと感じているのか?話をしてみることも大事かもしれません。その際,「下手だなぁ」といった言葉は適切ではありません。色遣いやどのような道具を使ったのか,何を感じて表現したのかを問いかけて語り合える時間があることは,大変有効でしょう
 私の授業を直接受けている生徒であれば,画材に関しては可能な限りあれこれ挑戦させてきたはずだから,聞いたこともないような画材名を口にするかもしれません。それが親子の対話に繋がるかもしれません。もし,本格的に美術を学ばせたいのならば,日々デッサンに励み,観察力を養うことが大切でしょう。

・・・とテスト中考えていたので,あんまり論点絞られておりません。ただ,没個性は嫌だなぁと感じております。

 「定期テスト終わったー!撃沈だぁ!山はずれた!」と,絶叫し苦しんでいた部員を励ましつつ?兄様方を,県展作品制作に気持ちを切り替えさせる私なのでした。ミルクコーヒーなど入れて貰う。(==;)
 
1日前は,こんな事考えてました

宮城県造形教育作品展(本年)
by hakusuke | 2006-11-28 21:42 | 指導観?