白衣の自画像から
2007年 07月 01日
靉光を理解してくれ!とは言わないけれど、彼の自画像に対して、中学校3年生の感想はこのような印象だったようです。各学級の感想を紹介します。
○この絵を見て暗い感じや薄い感じが伝わってくる。顔が小さいのに対し、肩幅が広い動画大きいななどバランス的な面で色々な工夫がされていて印象的なイメージがある。
明るい色を使わずに静かになように感じる色が伝わってくる。表情は、悲しさや悩んでいるかのように戦争のことが伝わってくるような気がする。
○目を見ると、眼のしかめ方から戦争中の苦しみ、悲しみ、残酷さがわかります。頭に対しての体の比率からいって、靉光の背負ってきた者の大きさを伺えます。
「白衣の自画像」というタイトルにしては白衣が黒ずんでいて、+よりも-の感じがします。私はこのような暗い印象の作品はあまり好きではありませんが、この作品から感じ取れることは多くありました。
○初めに受けた印象は「暗い」といったことでした。よくみると、眉間のあたりに少し皺がよっていて、何処か不安そうに見つめているように見えます。戦争という時代の背景から見ても、絶望や何かを訴えているように思えます。
作者も戦争なんかやめて「本当に自分らしい絵」を描きたかったのだと思います。戦争のせいで、絵を描くことを制限され、どんなに悔しい思いをしたのかと思うと、少しかわいそうな気がします。
描き方に関しては、何回も色を重ねてあって色に深みがあると思いました。「白衣」が真っ白ではなくて何色も重ねているところを見ると白衣は何処か柔らかい感じがするのに、顔が悲しそうで、力強く描かれているところがよいと思います。
○この作品が制作された時代は戦争が行われていて、その中で絵を制作するというのは私には考えられませんでした。この絵を見ると悲しい顔をしているというのが一目見てわかりました。
靉光の視線の先には、いったい何があるのだろうと疑問に思いました。体の部分と頭部の部分のバランスが悪いと思いました。
○何処か遠いところを見ているような目と、黒一色の暗い背景が何となく戦争の暗い時代を思い出させるような気がします。また、肌の漢字や服の漢字が平たくなく、立体感や少しゴツゴツした漢字があると思います。表情は少し起こっているようにも、悲しんでいるよううにも見え、そこから暗い時代背景だと言うことが伝わってきます。
○私はこの作品を初めて鑑賞したとき、この表情は自分のスタイルがわからなくなったくのうした靉光の表情なのだと思った。しかし、よくみてみると靉光は遠くを見ていて、自分のイメージを広げているようにも見えるし、強い信念や決意も伺えた。靉光は何か、おおきなけついをしたときにこの自画像を描いたのかもしれないと思った。
○第一印象は、ずっと先を見ている感じがしました。戦争時代だったので母国を見つめているのか、それとも家族、親友のことを考えているような気がしました。この絵は感想では言い表せないと思います。
絵の色は真っ白は一つもなく、薄く上から色がかぶせてあってタッチもかたいです。顔の名案も色では表しにくい表現をしているなぁと感じた。
★白衣の自画像は、文字をクリックするとエントリーにリンクします。
☆宮城県美術館で靉光展