「教育問題」「美術教科指導」等駄文であれこれ感じたことを綴ってます。


by hakusuke
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紅白梅図屏風~その2~

続きです。
 こちらのクラスは,はっきりいって騒がしい(=_=)。この辺の方言で書くならば,「やがましい!おだづな!!(うるさい,はりきりすぎるな!でしゃばるな!といった意味らしい)だまらっしゃい!!」を連呼してしまう。「美術はつくる以外に,鑑賞は楽しい!」と捉えている生徒たちが多々いる学級である。まぁ,私の性格上これらのやがましい兄さん・姉さんたちは大好きです。

 私が,紅白梅図屏風を教室に貼っているいなや,「先生何描かれているの?真ん中どぶ??←この辺がだまらっしゃいである」

 両クラスとも,対話型鑑賞で指導したわけですが,梅の花であったり,川の色に興味津々でした。また,ずいぶん急な川だなぁと感じた生徒,枝だっぷりがいい梅の木を,じっくりと味わっていた生徒たちもずいぶんいました。

 2時間の内容で,光琳の作品『燕子花図屏風』や『光琳小箱』の鑑賞,そして光琳の人生など,資料を用いながら,かなり簡略化して説明をする。この時ばっかりは,皆,興味深くずいぶん静かに聞いていました。男子生徒は,若き頃の光琳のような生活に少々憧れていたような・・・?私は若き頃の光琳のような殿方はお付き合いしたくないし,好きになれませんが・・・。うーん。

 雑談交じりに,1時間目の学習最後「この絵にはトリックがあるのだ!で,考えておいで!!」で終えました。美術に関わる方はご存じでしょう。生徒たちは何?で興味津々だったよう。グループごとに,教科書のコピーを切ったりずらしたり・・・。

「わかる??(私はニヤニヤ)」結局わからなかったようで,「教えて!」で見せたのがこれです。








紅白梅図屏風~その2~_a0074653_19383559.jpg


紅白梅図屏風~その2~_a0074653_19441335.jpg


○梅につながるなんて!すごいトリック。それを描くということができてすごいなぁと感じました。
○この絵のトリックを考えたのはどうかはわからないけれど,誰も考えつかなさそうなことを考え てすごいなぁ・・・と思いました。
○一枚の絵でいろいろな見方ができて,すごいと思いました。とても川の存在が大きいと思うし, 人生を表すことがすごいです。
○なんとなく,悲しい気持ちがしました。江戸時代の人はこれだけ考えて絵を描いたんだなと思 うと正直驚きます。とても絵は面白いし,見ていて楽しかったです。また,絵が上手だなぁと感 じました。
○こんなトリックがあるなんてびっくりしました。私は紅梅が人に見えたので,それがトリックな  んだと思っていました。その他の,光琳の作品を見てみたいと思いました。
○光琳の生涯の楽しさと,苦しさを表しつくした絵なのかもしれない。
○光琳の絵以外に,もっとよくみれば色んな世界が見えてくると思った。
○最後の先生の話が,豆知識で勉強になった!
               ↑オイオイ(=_=)雑学増えてよかった?

 中学校2年生30名で鑑賞した『紅白梅図屏風』や尾形光琳。決して詳しい説明ではないけれど,これから成長していく過程の中で,少しでも頭の片隅に「鑑賞したっけなぁ・・・」と思い出されれば,教科指導者として嬉しいものです。何らかの形で,「また,観てみたい!」と思えることが鑑賞活動の醍醐味だと私は思います。
by hakusuke | 2008-04-26 19:32 | 2009前自分の授業から